唇の炎症性腫れ口内炎以外にも原因は
唇やその周辺が腫れる原因は、有名な口内炎以外にも様々な炎症性疾患が考えられます。炎症は、細菌やウイルスの感染、物理的な刺激、化学的な刺激など、様々な要因によって引き起こされます。まず、最も身近な炎症性疾患として口内炎が挙げられますが、中でも「カタル性口内炎」は、粘膜全体が赤く腫れたりただれたりするタイプで、唇の腫れの原因となることがあります。これは、口の中の衛生状態が悪かったり、合わない入れ歯が当たったり、熱いものを食べたりといった刺激が原因で起こりやすいです。特定のウイルス感染症も唇の腫れを引き起こします。「口唇ヘルペス」は、ヘルペスウイルスによって唇の周りに小さな水ぶくれが多数できる病気ですが、水ぶくれができる前に唇がピリピリしたり、腫れたりすることがあります。また、水ぶくれが破れてただれた後も、周囲の粘膜に炎症が広がって腫れを伴うことがあります。口の中の細菌感染が原因で唇が腫れることもあります。虫歯や歯周病が悪化し、歯の根の先に膿が溜まると、その炎症が周囲の組織に波及し、歯茎だけでなく唇や顔の皮膚まで腫れあがることがあります。これは「歯性感染症」と呼ばれ、早急な歯科治療が必要です。唇の毛穴に細菌が入って炎症を起こす「毛嚢炎」も、唇にしこりや腫れ、痛みを引き起こすことがあります。その他、皮膚の細菌感染症である「蜂窩織炎」が顔面に起こり、唇を含む広範囲が赤く腫れて熱を持つこともあります。これらの炎症性疾患による唇の腫れは、原因となっている炎症を抑える治療が必要です。自己判断せず、歯科医院や皮膚科などを受診して、正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。