女性にガミースマイルが多い理由の一つとして、骨格の特徴が関係していると考えられています。特に、顔面骨格の中でも上の顎の骨、すなわち上顎骨の成長パターンが関わっている可能性が指摘されています。一般的に、女性は男性に比べて、上顎骨が縦方向に成長しやすい傾向があると言われています。これは、顔全体のバランスに関わる骨格的な特徴の一つです。上顎骨が縦に長いと、それに伴って上の歯が並んでいる部分全体が下方に位置することになります。その結果、笑ったときに上の歯茎が見える範囲が広くなってしまい、ガミースマイルとして認識されやすくなるのです。たとえ上唇を上に引き上げる筋肉の力がそれほど強くなくても、骨格的に上の顎が長いことによって、歯茎が多く露出してしまうことがあります。このような骨格性のガミースマイルは、遺伝的な要因によって引き起こされることが多いと考えられています。親や親戚に面長な顔立ちの方が多い場合、自身も上顎骨が縦に長く成長しやすい傾向があるかもしれません。骨格が原因である場合、単に歯茎を少し切除したり、上唇の筋肉を弱めたりするだけでは、根本的な改善が難しいことがあります。より顕著な改善を目指す場合には、上顎骨の位置を外科的に移動させる手術と、それに伴う歯科矯正治療を組み合わせた「外科的矯正治療」が必要となることがあります。この治療法は、骨の成長が完了した成人に対して行われるのが一般的です。ご自身のガミースマイルが骨格的な特徴によるものかどうかは、歯科医師による専門的な診察と、レントゲン写真などを用いた精密検査によって初めて正確に診断できます。特に矯正歯科を専門とする医師に相談すると、詳しい診断と治療計画についてアドバイスをもらえるでしょう。