ぶつけた?やけど?怪我で唇が腫れる
日常生活の中で、うっかり唇を怪我してしまうことは珍しくありません。唇は柔らかい組織でできているため、少しの刺激でも腫れやすい部位です。唇をぶつけたり、噛んでしまったりといった外傷は、最も一般的な唇の腫れの原因の一つです。硬いものにぶつけたり、転倒したりして唇を強打すると、内出血を伴って唇が大きく腫れあがることがあります。これは、衝撃によって唇内部の細い血管が傷つき、血液や組織液が周囲に漏れ出すことで起こります。誤って唇を噛んでしまった場合も、傷口から細菌が入り込んだり、組織が損傷したりすることで炎症が起こり、腫れを引き起こします。特に、歯並びが原因で繰り返し唇を噛んでしまう癖がある方は、慢性的な刺激によって唇が腫れやすくなることがあります。また、熱い飲食物で唇を火傷した場合も、火傷の程度に応じて唇が赤く腫れたり、水ぶくれができたりします。軽い火傷であれば数日で回復しますが、重度の火傷は皮膚が壊死し、瘢痕を残すこともあるため注意が必要です。その他、歯の矯正装置や合わない入れ歯が常に唇の粘膜に擦れることで、その部分が慢性的に炎症を起こし、腫れやただれが生じることもあります。このような物理的な刺激による腫れは、原因となっている刺激を取り除かない限り、なかなか治りにくいという特徴があります。怪我や刺激によって唇が腫れた場合は、まず原因を取り除くこと、そして腫れている部分を冷やすなどの応急処置を行うことが有効です。傷口がある場合は清潔に保ち、必要であれば消毒を行います。腫れがひどい場合や、痛みが強い場合、あるいは傷口から膿が出ている場合などは、感染を起こしている可能性もあるため、医療機関(口腔外科や形成外科など)を受診することをお勧めします。