体調不良とカタル性口内炎
口内炎は、口の中だけの問題ではなく、全身の健康状態とも深く関わっています。特にカタル性口内炎は、体調不良や免疫力の低下が引き金となって発生したり、悪化したりすることが少なくありません。強いストレスを感じているとき、睡眠不足が続いているとき、疲労が蓄積しているときなどは、体の免疫力が低下しやすくなります。免疫力が落ちると、普段は悪さをしない口の中の常在菌が増殖したり、外部からの刺激に対する粘膜の抵抗力が弱まったりして、炎症が起こりやすくなります。これが、ストレスや疲れが溜まると口内炎ができやすい、と感じる理由の一つです。また、栄養バランスの偏りもカタル性口内炎の原因となり得ます。特にビタミンB群(B2、B6、B12など)や鉄分は、皮膚や粘膜の健康を保つために不可欠な栄養素です。これらの栄養素が不足すると、口の粘膜が弱くなり、傷つきやすくなったり、炎症が治りにくくなったりします。偏食や無理なダイエットをしている方は注意が必要です。さらに、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかった後や、糖尿病、胃腸疾患、自己免疫疾患などの全身の病気がある場合にも、口の粘膜に変化が現れやすく、カタル性口内炎を合併することがあります。口が乾きやすい状態(ドライマウス)も、唾液による自浄作用や防御機能が低下するため、カタル性口内炎のリスクを高めます。単に口の中のケアだけでなく、規則正しい生活を送り、バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠をとるなど、全身の健康状態を整えることが、カタル性口内炎の予防や改善に繋がります。症状がなかなか治らない場合や、繰り返しできる場合は、全身の病気が隠れている可能性もあるため、医療機関に相談してみましょう。