家族も一緒に!インフォームドコンセントの進め方
インフォームドコンセントは、患者さん本人だけでなく、家族が一緒に話を聞くことも非常に有効です。特に高齢の患者さんや、病状が複雑で一人で理解するのが難しい場合、あるいは患者さんの判断能力が一時的に低下している場合などには、家族のサポートが欠かせません。家族が同席することで、医師からの説明を複数人で聞くことができ、理解を深めやすくなります。一人では聞き漏らしてしまうような情報も、誰かがメモを取ったり、後から確認したりできます。また、患者さん本人が緊張してうまく質問できない場合でも、家族が代わりに質問することができます。家族は患者さんの日頃の様子や生活状況をよく知っているので、医師に伝えることで、患者さんの全体像を理解してもらいやすくなります。これにより、患者さんの状況に合わせたより適切な治療法の選択に繋がる可能性があります。ただし、家族が同席する場合でも、インフォームドコンセントの主役はあくまで患者さん本人です。患者さんの意思や希望を尊重することが最も重要です。家族は患者さんの理解を助け、意思決定をサポートする役割を担います。もし患者さんの意思表示が難しい場合は、事前に家族内で患者さんの意向を話し合っておき、それを医師に伝えるようにしましょう。事前に病院に家族の同席が可能か確認しておくとスムーズです。患者さんと家族、そして医療者が一体となって情報を共有し、協力して最善の治療を選択していくプロセスが、家族を含めたインフォームドコンセントの理想的な形と言えるでしょう。