先日、初めて大きな手術を受けることになり、その前に医師からインフォームドコンセントを受けました。最初は「同意書にサインする簡単な手続きだろう」くらいに考えていたのですが、実際は想像以上に丁寧で、私の不安を和らげてくれる時間でした。診察室で医師から、私の病状、なぜ手術が必要なのか、手術の方法、手術にかかる時間、成功率、考えられるリスクや合併症について、図や資料を見ながら分かりやすく説明を受けました。特にリスクについては、頻度は低いものの、起こりうる可能性のあるものについても隠さず話してくれました。正直、聞いている間は専門用語に戸惑うこともありましたが、「今の説明で分からない点はありますか?」と医師が何度も尋ねてくれたので、その都度質問することができました。「この合併症が起きた場合はどうなるのですか?」「手術後の生活で気をつけることは何ですか?」など、疑問に思っていたことを全てぶつけることができました。医師は一つ一つ丁寧に、私が納得できる言葉で説明してくれました。家族も同席していたので、家族からも質問が出ました。全ての疑問が解消され、手術を受けることのリスクも理解した上で、それでも手術を受けることが私にとって最善の選択だと確信できたとき、私は同意書にサインしました。あの時間があったからこそ、手術当日も必要以上に怖がることなく、落ち着いて臨むことができたのだと思います。インフォームドコンセントは、単に形式的な手続きではなく、患者が医療を「自分のこと」として受け止め、主体的に向き合うための大切なステップだと、身をもって感じた体験でした。