多くの方が一度は経験するアフタ性口内炎は、口の中の様々な場所にできます。特に歯茎にできると、その硬さから痛みが強く感じられやすく、非常に厄介です。歯茎にできたアフタ性口内炎について、知っておくべきことをまとめました。まず、アフタ性口内炎は、境界がはっきりした丸い形をしており、中央が白っぽい膜で覆われ、周囲が赤くなっているのが特徴です。歯茎にできると、この典型的な見た目をしています。触れると強い痛みを伴い、食事や歯磨きが困難になることがあります。歯茎にアフタ性口内炎ができる背景には、いくつかの要因が考えられます。最も多いのは、物理的な刺激です。例えば、歯ブラシの毛先で強く擦ってしまったり、硬い食べ物(せんべいや骨など)で歯茎を傷つけてしまったり、あるいは矯正装置や入れ歯が当たって擦れたりすることが引き金になります。また、疲労や睡眠不足、ストレス、栄養バランスの偏り(特にビタミンB群や鉄分不足)、免疫力の低下なども、アフタ性口内炎ができやすくなる全身的な要因として挙げられます。歯茎にアフタ性口内炎ができてしまった場合の対処法は、基本的には他の部位にできた場合と同様です。患部を清潔に保ち、刺激を与えないように注意することが大切です。食生活では、辛いものや熱いもの、酸っぱいものなど、刺激の強い食べ物は避けるようにしましょう。歯磨きの際は、患部に直接ブラシが当たらないように優しく磨くか、一時的にその部分だけ避けるなどの工夫が必要です。口をゆすぐ際は、刺激の少ない洗口剤や、生理食塩水を使うのが良いでしょう。痛みが強い場合は、市販の口内炎治療薬(塗り薬や貼り薬)を使用することで症状を和らげることができます。ただし、歯茎にできたできものが本当にアフタ性口内炎であるかどうかの判断は難しい場合もあります。特に、症状が長引く(2週間以上)、痛みが非常に強い、範囲が広い、繰り返す頻度が高いといった場合は、単なるアフタ性口内炎ではない可能性も考えられます。その場合は、自己判断せずに歯科医院を受診し、正確な診断と適切な治療を受けることが非常に重要です。歯科医師は、アフタ性口内炎であれば痛みを和らげる処置や薬を処方してくれますし、もし他の病気であれば、その病気に応じた専門的な治療を行います。
知っておきたい歯茎のアフタ性口内炎