2025年5月
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あなたの入れ歯大丈夫?カタル性口内炎の原因に
カタル性口内炎の原因の一つとして、見落とされがちなのが、口の中に入れているものからの物理的な刺激です。中でも、入れ歯(義歯)や矯正装置が粘膜に合っていないために起こるカタル性口内炎は少なくありません。毎日使う入れ歯は、少しずつ形が変わったり、汚れが付着したりします。合わなくなった入れ歯が特定の場所に常に擦れたり、強く圧迫したりすることで、その部分の粘膜が慢性的な刺激を受け、赤く腫れ上がったり、ただれたりします。特に、新しく入れ歯を作ったばかりの頃や、長年調整していない古い入れ歯を使っている場合に起こりやすい傾向があります。また、入れ歯に付着したプラーク(歯垢)やカビ(カンジダ菌など)が原因で、入れ歯と接している粘膜全体に炎症が広がることもあります。これは「義歯性口内炎」とも呼ばれ、カタル性口内炎の一種と考えられます。主に上顎の入れ歯の下の粘膜が真っ赤になるのが特徴です。矯正装置の場合も同様で、ワイヤーの端が刺さったり、装置の一部が粘膜に擦れたりすることで、そこに炎症が起こり、カタル性口内炎の原因となります。このような物理的な刺激によるカタル性口内炎は、原因となっている入れ歯や装置を適切に調整しない限り、自然に治ることは難しいです。症状に気づいたら、自分で何とかしようとせず、必ず歯科医院を受診しましょう。歯科医師は、入れ歯や矯正装置が粘膜に当たっていないか、適合状態はどうかを詳しくチェックし、必要な調整を行ってくれます。また、入れ歯の清掃状態が悪ければ、正しい清掃方法の指導や、入れ歯自体のお手入れ(クリーニング)も行います。原因を取り除くことが、カタル性口内炎を治すための最も重要なステップです。