数ある歯医者の中からどう選ぶ？

マスク生活が長引く中で、自分の口臭が気になり始めた、という方は多いのではないでしょうか。口臭ケアと聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは、ミント味のガムや、スプレータイプの口臭清涼剤かもしれません。しかし、これらは、ニオイの元に蓋をする、いわば「その場しのぎ」の対策です。本当に口臭の悩みから解放されたいのであれば、ニオイの原因そのものを断ち切る「根本ケア」に取り組むことが不可欠です。口臭の約9割は、胃などの内臓からではなく、口の中に原因があると言われています。そして、そのニオイの正体は、主に「揮発性硫黄化合物（VSC）」という、細菌が作り出すガスです。つまり、口臭ケアの王道とは、この「細菌」と、その「エサ」となる汚れを、いかに口の中から減らすか、ということに尽きるのです。そこでおすすめしたい、最も基本的で、最も効果的な根本ケアが、日々の「口腔清掃のレベルアップ」です。まず、毎日の歯磨きに、「デンタルフロス」か「歯間ブラシ」をプラスしてください。歯と歯の間は、歯ブラシの毛先が絶対に届かない、汚れの聖域です。ここに溜まった歯垢（プラーク）こそが、口臭菌の最大の巣窟なのです。次に、鏡で自分の舌を見てみてください。白や黄色い苔が付着していませんか？これは「舌苔（ぜったい）」と呼ばれ、口臭の大きな発生源です。舌専用のブラシや、柔らかい歯ブラシで、奥から手前に向かって、優しく清掃する習慣をつけましょう。そして、忘れてはならないのが、「歯科医院でのプロフェッショナルケア」です。セルフケアだけでは、どうしても落としきれない歯石や、細菌の膜（バイオフィルム）が存在します。3ヶ月から半年に一度は、歯科医院で徹底的にクリーニングしてもらうことで、口内環境をリセットし、口臭の発生しにくい状態を維持することができます。これらの根本ケアは、ガムやスプレーのように、即効性はありません。しかし、地道に続けることで、あなたの口内環境は確実に改善し、ニオイの元から断ち切られた、本物のさわやかな息を手に入れることができるのです。