投稿者: fxrebjz2s
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舌の赤い斑点とピリピリ感の意外な原因
舌に現れるピリピリとした痛みや赤い斑点と聞くと、多くの人は口内炎や軽い火傷を思い浮かべるかもしれませんが、時には予想外のことが根本的な原因となっている場合があります。その一つに、口腔乾燥症、いわゆるドライマウスが挙げられます。唾液は、口の中を潤して清潔に保ち、細菌の増殖を抑制し、粘膜を刺激から保護するという極めて重要な役割を担っています。しかし、ストレス、加齢、服用している薬の副作用、あるいはシェーグレン症候群のような自己免疫疾患などによって唾液の分泌量が著しく減少すると、口の中が乾燥し、舌が外部からの刺激に対して非常に敏感な状態になります。その結果、普段は何ともないような食べ物や歯ブラシの接触でさえも、ピリピリとした痛みとして感じられたり、容易に炎症を起こして赤い斑点ができたりするのです。また、胃腸の不調が舌にサインとして現れることもあります。特に、胃酸が食道へ逆流する逆流性食道炎は、強い酸性の胃液が喉や口の中にまで達することで、舌の粘膜を刺激し、びらんや赤い斑点、ヒリヒリとした痛みの原因となることが知られています。胸焼けや呑酸といった症状に心当たりがある方は、舌の不調が消化器系からの警告である可能性を疑うべきかもしれません。その他、病的なものではありませんが、舌の表面に地図のような模様ができては消える「地図状舌」という状態も、時にピリピリとした感覚を伴うことがあります。このように、舌の症状は口内だけの問題に留まらず、全身の健康状態を反映する鏡のような役割を果たすことがあるのです。