口内炎は誰もが一度は経験する不快な症状ですが、特に歯茎にできると、その硬さや場所柄から痛みが強く感じられることがあります。「歯茎にできた口内炎、これってよく聞くアフタ性口内炎なのかな?」と疑問に思われる方もいるでしょう。ここでは、歯茎にできる口内炎がアフタ性である可能性について考えてみましょう。口内炎にはいくつかの種類がありますが、最も一般的で、その多くを占めるのが「アフタ性口内炎」です。別名「カタル性潰瘍」とも呼ばれます。これは、境界が比較的はっきりしており、円形または楕円形の潰瘍で、中心部が白っぽい偽膜で覆われ、その周囲が炎症による赤みで縁取られているのが特徴です。大きさは数ミリ程度であることが多いです。歯茎にできる口内炎も、この典型的なアフタ性口内炎の特徴を示すことがあります。歯茎に触れると痛みが走り、特に歯ブラシの毛先が当たったり、食べ物が触れたりすると強い痛みを感じるのが特徴です。歯茎の表面に、白い膜とその周囲の赤い縁を持つ潰瘍が見られたら、アフタ性口内炎の可能性が高いと言えます。ただし、歯茎にできる白いできものや痛み全てがアフタ性口内炎ではありません。歯茎は歯周病や歯の根の病気など、様々なトラブルが起こりやすい場所です。例えば、歯周病が進行して歯茎に膿が溜まった「歯肉膿瘍」や、歯の根の先の炎症が原因で歯茎に膿の出口ができた「フィステル」なども、歯茎にできものや腫れ、痛みを引き起こすことがあります。これらの病気はアフタ性口内炎とは原因も治療法も全く異なるため、正確な診断が必要です。もし歯茎に口内炎らしきものができ、それがアフタ性口内炎の特徴に当てはまるようであれば、まずは刺激を避け、口の中を清潔に保つように心がけてみましょう。数日から1週間程度で症状が和らぐことが多いです。しかし、症状が2週間以上続く場合、痛みが非常に強い場合、腫れや発熱を伴う場合、あるいは繰り返し同じような症状が出る場合は、自己判断せずに必ず歯科医院を受診してください。歯科医師は、視診や必要に応じてレントゲン検査などを行い、その口内炎がアフタ性なのか、あるいは他の病気によるものなのかを正確に診断し、適切な治療やアドバイスをしてくれます。歯茎の健康は、お口全体、そして全身の健康の入り口です。気になる症状があれば、迷わず専門家に相談しましょう。
歯茎の口内炎はアフタ性かも