再発予防のために気をつけたいこと
一度クインケ浮腫による唇の腫れを経験すると、「またいつ起きるか」と不安になるものです。クインケ浮腫、特に慢性的に繰り返すタイプの場合は、再発を予防するための対策を講じることが重要になります。最も効果的な再発予防策は、原因が特定できた場合に、その原因物質や誘因を避けることです。例えば、特定の食べ物が原因であればそれを摂取しない、薬剤が原因であれば医師と相談して代替薬に変更する、といった対応が必要です。ストレスや疲労が誘因となる場合は、日頃から十分な休息をとり、ストレスを溜めないように生活習慣を見直すことも大切です。遺伝性血管性浮腫(HAE)と診断された場合は、発作を予防するための内服薬や、発作が起きた際に症状を速やかに抑えるための自己注射薬など、HAEに特化した専門的な治療や管理が必要になります。特発性クインケ浮腫で原因が特定できない場合でも、症状が頻繁に出る場合は、抗ヒスタミン薬などを予防的に継続して服用することで、症状の発生を抑えたり、症状が出ても軽く済ませたりできる場合があります。薬剤の種類や服用方法は、個々の患者さんの状態や症状の頻度、重症度に応じて医師が判断します。また、口の中の衛生状態を良好に保つことも、原因不明のクインケ浮腫の予防に繋がる可能性が考えられています。定期的に歯科検診を受けてクリーニングを行ったり、合わない入れ歯や尖った歯など、粘膜を刺激する可能性のあるものを放置しないようにしましょう。再発予防のためには、自己判断せず、必ず医療機関で原因を特定してもらい、医師の指導のもとで適切な予防策や治療を継続することが非常に重要です。不安なことや疑問点は、遠慮せずに医師に相談し、納得して治療に取り組むことが、再発への不安を軽減し、安心して過ごすために大切です。