ガミースマイルの原因として、歯茎そのものの状態も重要な要因です。特に、歯茎の組織が必要以上に厚い「歯肉過多」の状態や、本来見えるべき歯の長さが歯茎に覆われてしまっている「萌出不全」が原因で、歯茎が多く見えてしまうことがあります。なぜ女性の方が歯茎が原因のガミースマイルになりやすいと言われることがあるのでしょうか。これについても明確な理由はまだ研究段階ですが、女性ホルモンの影響や、歯肉組織の遺伝的な特徴などが関連している可能性が考えられています。例えば、女性ホルモンのバランスの変化(思春期、妊娠、生理周期など)によって歯茎が一時的に腫れやすくなることがあります。歯周病や歯肉炎などの炎症によって歯茎が腫れて厚みを増している場合も、歯茎が目立つ原因となります。また、遺伝的に歯茎の組織量が多い、あるいは歯が骨から十分に生えきらずに歯茎に覆われている状態が原因で、ガミースマイルになることもあります。この「萌出不全」は、歯のサイズに対して顎が小さい場合や、歯の生える経路に問題があった場合などに起こり得ます。歯茎が原因のガミースマイルに対する治療法としては、「歯肉整形術」や「歯冠長延長術」といった外科的な処置が有効です。歯肉整形術は、余分な歯茎のラインを整える比較的軽微な処置ですが、歯冠長延長術は歯茎とその下の骨を一部除去することで、歯茎の位置を上に移動させ、歯の本来の長さを露出させる処置です。どちらの処置が適しているかは、歯茎の量や厚み、歯の長さ、骨の状態などを総合的に判断して歯科医師が決定します。歯周病が原因で歯茎が腫れている場合は、まず歯周病治療を行い、炎症を抑えることが先決となります。