口の中の粘膜に炎症が起きる「口内炎」。いくつかの種類がありますが、その中でも比較的多く見られるのが「カタル性口内炎」です。カタル性口内炎は、アフタ性口内炎のように境界のはっきりした白い潰瘍ができるのではなく、口の中の粘膜が赤く腫れたり、ただれたりするのが特徴です。広範囲にわたって炎症が広がることもあり、見た目には粘膜全体が充血しているように見えます。主な症状としては、ヒリヒリとした痛みや不快感、熱感などが挙げられます。特に、熱いものや辛いもの、酸っぱいものなどの刺激物が触れると、痛みが強くなる傾向があります。また、口の中がネバネバする、味がよく分からない、口臭が気になる、といった症状を伴うこともあります。舌の表面に白い苔のようなもの(舌苔)が増えたり、粘膜がうっすらと白っぽく膜を張ったようになったりすることもあります。カタル性口内炎の原因は多岐にわたりますが、主に物理的、化学的、あるいは熱的な刺激によって引き起こされることが多いです。例えば、合わない入れ歯や矯正装置が粘膜に擦れる、歯の尖った部分が当たる、熱い飲食物で火傷をする、強い歯磨き粉やうがい薬の刺激、タバコやアルコールの刺激などが挙げられます。また、口の中を清潔に保てていないと、細菌が増殖して炎症を引き起こすこともあります。ストレスや体調不良が原因で免疫力が低下しているときにも発生しやすくなります。カタル性口内炎は、日常的な刺激やケア不足が原因で起こりやすいため、症状に気づいたら、まずはその原因を取り除くことが改善への第一歩となります。