口臭を予防するために、私たちは様々なケアグッズを使いますが、実は、私たち自身の体の中に、最も強力で、最も自然な「口臭ケアグッズ」が備わっています。それが、「唾液」です。唾液は、単なる水分ではありません。その中には、口の中の健康を守るための、素晴らしい機能が詰まっています。そして、この唾液の「量」と「質」を高めることが、口臭ケアにおいて、非常に重要な鍵を握るのです。唾液が持つ、口臭ケアにおすすめの働きは、主に三つあります。第一に、「自浄作用」です。サラサラとした唾液は、口の中に残った食べかすや、剥がれ落ちた粘膜の細胞、そして細菌を、常に洗い流してくれます。これにより、口臭の原因菌のエサを減らし、清潔な環境を保ちます。第二に、「抗菌作用」です。唾液の中には、「リゾチーム」や「ラクトフェリン」といった、細菌の増殖を抑える成分が含まれています。これにより、口臭菌が過剰に繁殖するのを防いでくれるのです。第三に、「粘膜保護・修復作用」です。唾液は、デリケートな口の中の粘膜を潤し、乾燥や刺激から守ります。また、傷ついた粘膜の修復を助ける働きもあります。しかし、ストレスや疲労、加齢などによって、唾液の分泌が減り、口の中が乾いてしまうと、これらの重要な働きが全て低下し、口臭が一気に悪化してしまいます。では、この天然のケアグッズである、サラサラ唾液を、どうすればたくさん出すことができるのでしょうか。今日から始められる、おすすめの習慣をご紹介します。①よく噛む:食事の際に、一口30回を目安に、意識してよく噛みましょう。噛むという刺激が、唾液腺を活性化させます。②唾液腺マッサージ:耳の下や、顎の骨の内側、顎の先の下にある唾液腺を、指の腹で優しくマッサージします。③舌を動かす:口を閉じたまま、舌で歯茎の周りをぐるりとなぞるなど、意識的に舌を動かしましょう。④水分補給:体の水分が不足すれば、唾液も作れません。こまめに水を飲む習慣をつけましょう。⑤リラックスする:ストレスは、唾液の分泌を抑制します。深呼吸をしたり、ゆっくりお風呂に入ったりして、心と体をリラックスさせましょう。これらの習慣を心がけ、自分自身の唾液力を高めることが、どんな高価なグッズにも勝る、究極の口臭ケアとなるのです。