唇が突然腫れると、鏡を見てびっくりしますよね。痛みやかゆみを伴うこともあれば、腫れるだけで他に症状がないこともあります。なぜ唇は腫れるのでしょうか？その原因は非常に多様で、日常生活の中の些細なことである場合から、体の内部に原因がある場合まで様々です。唇の腫れは、皮膚や粘膜の下にある血管から水分や成分が漏れ出し、組織の間に溜まることで起こります。この反応は、アレルギー、炎症、物理的な刺激、感染など、様々なきっかけによって引き起こされます。最も一般的な原因の一つは、特定の物質に対するアレルギー反応です。食べ物、薬、化粧品やリップクリーム、歯科材料などがアレルギーの原因となり、急な唇の腫れを引き起こすことがあります。また、虫刺されなども唇やその周辺が腫れる原因となります。次に多いのは、局所的な炎症です。口内炎や歯茎の炎症、唇の乾燥によるひび割れからの細菌感染などが原因で唇が腫れることがあります。歯並びが悪く常に唇を噛んでしまう、合わない入れ歯や矯正装置が擦れるといった物理的な刺激や、熱い飲食物による火傷なども、炎症を起こして唇が腫れる原因となります。稀ではありますが、特定の全身疾患（クローン病、サルコイドーシス、遺伝性血管性浮腫など）の症状として唇が腫れることもあります。このように、唇の腫れは単なる一時的な症状ではなく、様々な原因が考えられます。原因によって対処法や治療法が異なるため、腫れが起きた場合は、いつから、どのような状況で、他にどんな症状があるかなどをよく観察し、原因を探ることが大切です。原因が分からない場合や、症状が重い場合は、医療機関を受診して専門家の診断を受ける必要があります。