医師との上手なコミュニケーション術
インフォームドコンセントをスムーズに進めるためには、医師との良好なコミュニケーションが鍵となります。医師は医療の専門家ですが、あなたの体の状態や価値観を最もよく知っているのはあなた自身です。分かりやすい説明を引き出し、納得のいく形で治療を選択するために、患者側からできる工夫をいくつか紹介します。まず、診察や説明の場に行く前に、聞きたいことを整理しておくと良いでしょう。メモに書き出すなどして、質問リストを作っておくと、聞き漏れを防げます。「病気について」「治療法について」「今後の見通しについて」など、項目ごとにまとめておくと分かりやすいです。次に、説明を受ける際は、分からない言葉が出てきたらその都度質問することをためらわないでください。「今の〇〇という言葉はどういう意味ですか?」と具体的に尋ねると、医師もどこが理解されていないのかを把握しやすくなります。専門用語を避けて、素人にも分かる言葉で説明してもらうようお願いしましょう。また、話を聞くだけでなく、あなたの感じている症状や不安、治療に対する希望などを正直に伝えることも重要です。医師は患者さんの情報を得ることで、より適切な診断や治療法の提案ができます。もし可能であれば、家族や信頼できる友人に同席してもらうことも有効です。一人で聞くよりも、複数人で聞く方が理解が深まりやすく、質問もしやすくなります。説明の後に、聞いた内容を自分の言葉で医師に伝えてみるのも良い方法です。「つまり、こういうことですか?」と確認することで、理解のずれがないかを確認できます。コミュニケーションは双方向のものです。積極的に医師と対話することで、インフォームドコンセントはより実りあるものになるでしょう。