舌にできた赤い斑点とピリピリ感の体験談
あれは、大きなプロジェクトの納期が迫り、連日深夜残業が続いていた時期のことでした。疲労がピークに達していたある朝、コーヒーを飲んだ瞬間、舌の先にピリッと電気が走るような鋭い痛みを感じたのです。最初は熱かったのかな、くらいにしか思わなかったのですが、その痛みは一日中続き、食事をするたびに気になるようになりました。気になって洗面所の鏡で舌を突き出してみると、先端部分に小さな赤い斑点がいくつかできているのを発見し、血の気が引くのを感じました。何か悪い病気だったらどうしよう。そんな不安が頭をよぎり、仕事も手につきません。インターネットで症状を検索すると、様々な病名がヒットし、私の心配はますます大きくなるばかりでした。食事の時間は、楽しいひと時から苦痛の時間へと変わりました。温かいスープが傷口にしみ、醤油の塩辛さが舌を刺すように痛むのです。普段なら何でもない食べ物が、まるで拷問のように感じられました。このままではいけないと意を決し、数日後に近所の歯科医院を訪ねました。先生は私の舌を丁寧に診察し、生活状況についていくつか質問をしました。そして、「これは典型的な、過労とストレスからくる舌炎ですね。心配いりませんよ」と穏やかに告げました。その一言で、張り詰めていた心の糸がぷつりと切れ、涙が出そうになるほど安堵したのを今でも鮮明に覚えています。処方された軟膏を塗り、先生の指導通りに意識して休息を取るようにしたところ、一週間も経たないうちに、あれほど私を悩ませていたピリピリとした痛みも赤い斑点も、嘘のように綺麗に消えていきました。この経験を通じて、自分の体が発する小さなサインに耳を傾けることの大切さを、身をもって学びました。