オフィスホワイトニングで使われる薬剤は、高濃度の過酸化水素や過酸化尿素を主成分としています。これらの薬剤が歯の表面のエナメル質やその下の象牙質に浸透し、着色の原因となっている色素を分解することで歯を白くします。しかし、この薬剤の浸透には時間がかかりますし、一度に高濃度の薬剤を長時間作用させると、歯への負担が大きくなり、知覚過敏などの副作用が出やすくなってしまいます。そのため、多くの歯科医院では、一度の施術時間を調整し、複数回に分けて施術を行うのが一般的です。例えば、初回で歯の表面の色素を分解し、2回目、3回目と回数を重ねるごとに薬剤が歯の深部にまで作用し、さらに白さを引き出していく、といったイメージです。このように複数回に分けることで、歯にかかる負担を分散させながら、段階的に白さを上げていくことができるのです。また、歯の色は個人差が大きく、同じ薬剤、同じ時間施術しても、白くなる度合いは人それぞれ異なります。黄色みが強い歯、グレーっぽい歯など、元々の色によっても白くなりやすさが違います。これらの理由から、理想とする白さにするためには、通常は複数回のオフィスホワイトニングが必要となります。歯科医師は、患者さんの歯の色や状態を診て、何回の施術が必要になりそうか、どれくらいの間隔で受けるのが適切かなどを提案してくれます。一度で理想の色にならなかったとしても、それは効果がないわけではなく、ステップを踏んでいくプロセスなのだと理解しておくと良いでしょう。