舌にできたアフタ性口内炎は、多くの人が「他の場所より痛い」と感じるのではないでしょうか。その痛みは、舌という場所の特性に深く関わっています。舌は、私たちが食事をしたり、話したり、唾液を飲み込んだり、といった日常生活のあらゆる場面で常に動いている器官です。この絶え間ない動きが、舌にできた口内炎に繰り返し刺激を与え、痛みを強く感じさせている最大の理由です。食事をする時、舌は食べ物を歯と歯の間へ運んだり、混ぜたり、飲み込む準備をしたりと大忙しです。この過程で、硬い食べ物や、熱すぎるもの、冷たすぎるもの、そして特に辛いもの、酸っぱいもの、塩辛いものといった刺激物が、直接口内炎に擦れたり触れたりします。想像しただけで痛みが走るようなこれらの刺激は、傷口に塩を塗るようなもので、痛みを劇的に悪化させます。話す時も舌は活発に動きます。無意識のうちに歯や他の口の中の粘膜、そして食べ物の残りかすなどに患部が擦れてしまいます。これが繰り返されることで、痛みが持続したり、悪化したりします。また、舌の表面には味覚を感じる味蕾(みらい)が集まっており、神経が豊富に分布しています。この神経の豊富さも、舌にできた傷が敏感に痛みを伝える一因と考えられます。さらに、舌は唾液腺が多く集まる場所でもあります。唾液は口腔内の健康を保つために重要ですが、口内炎ができている部分に唾液が触れる際にも、刺激を感じることがあります。また、舌の表面は複雑な形状をしており、食べ物のカスや細菌が溜まりやすい場所でもあります。これにより、口内炎の部分が二次的に感染を起こしやすくなり、炎症や痛みが悪化するリスクもあります。舌にできた口内炎の痛みは、単なる傷の痛みだけでなく、その場所が持つ機能性、つまり常に動いていること、神経が豊富であること、様々な刺激に晒されやすいことなどが複合的に影響しています。だからこそ、舌にアフタ性口内炎ができた際は、痛みを和らげるための特別な配慮が必要になります。できるだけ舌を休ませることは難しいですが、食事内容や食べ方、話し方、そして口腔ケアの方法などを工夫することで、舌への刺激を最小限に抑え、痛みを和らげることが治癒への第一歩となります。つらい痛みを我慢せず、適切な対処を心がけましょう。
舌のアフタ性口内炎はなぜこんなに痛むのか