急な唇の腫れアレルギーのサインかも
突然、唇がパンパンに腫れあがった場合、アレルギー反応が原因である可能性が高いです。アレルギーによる唇の腫れは、クインケ浮腫(血管性浮腫)と呼ばれる状態として現れることが多く、これは皮膚の深い部分や粘膜下組織が急速に腫れるのが特徴です。蕁麻疹のようにかゆみを伴う盛り上がり(膨疹)を伴うこともありますが、クインケ浮腫単独の場合はかゆみよりも腫れそのものが目立ちます。アレルギー性のクインケ浮腫は、特定の物質(アレルゲン)に触れたり、摂取したりすることで体内でアレルギー反応が起こり、ヒスタミンなどの化学物質が放出されることで血管透過性が亢進し、血漿成分が漏れ出して腫れを引き起こします。原因となるアレルゲンとしては、特定の食べ物(蕎麦、ピーナッツ、卵、乳製品、魚介類など)、薬物(解熱鎮痛剤、抗生物質など)、あるいは化粧品、リップクリーム、歯磨き粉などに含まれる成分が挙げられます。例えば、これまで何ともなかった食べ物や薬を口にした後に急に唇が腫れてきた場合は、アレルギー反応を疑う必要があります。虫に刺された後に唇や顔の周辺が腫れるのも、虫の毒成分に対するアレルギー反応や炎症反応によるものです。アレルギー性のクインケ浮腫の怖い点は、唇だけでなく喉や気道が腫れる可能性があることです。気道が腫れると呼吸困難を引き起こし、命に関わる場合があるため、唇の腫れに加えて息苦しさや声枯れ、飲み込みにくさなどの症状がある場合は、すぐに救急医療機関を受診する必要があります。アレルギーが原因と考えられる唇の腫れが出た場合は、自己判断せず、必ず医療機関(アレルギー科や皮膚科など)を受診して原因物質の特定や適切な治療法について相談することが大切です。