アフタ性口内炎がひどい場合や、市販薬で効果が見られない場合、あるいは基礎疾患がある場合などには、医療機関を受診することになります。病院では、症状や患者さんの状態に応じて、市販薬よりも効果の高い、あるいは特別な成分を含む薬剤が処方されることがあります。最も一般的に処方されるのは、ステロイドを含む外用薬です。ステロイドは強力な抗炎症作用を持っており、口内炎の炎症を効果的に鎮め、痛みを和らげ、治癒を早める効果が期待できます。軟膏タイプや貼り薬タイプがあり、市販薬にもステロイド配合のものはありますが、医療用として処方されるものは成分や濃度が異なることがあります。特に痛みが強く、炎症がひどい場合に有効です。使用する際は、医師や薬剤師の指示に従い、定められた回数と量を守ることが重要です。長期間使用すると副作用の可能性もあるため、漫然と使い続けるのは避けるべきです。ステロイドの外用薬の他に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を含む外用薬が処方されることもあります。こちらはステロイドよりも作用は穏やかですが、炎症や痛みを抑える効果があります。痛みが非常に強い場合には、麻酔成分を含む軟膏や貼り薬が処方されることもあります。これは一時的に患部の感覚を麻痺させることで、飲食時の痛みを軽減する目的で使用されます。細菌の二次感染が疑われる場合や、それを予防する目的で、抗菌作用のあるうがい薬(含嗽薬)が処方されることもあります。口腔内を清潔に保ち、炎症の悪化を防ぐ効果があります。全身的な症状があったり、頻繁に再発を繰り返したりする場合は、内服薬が処方されることもあります。例えば、体の免疫を調整するような薬剤や、抗ウイルス薬(ヘルペス性口内炎の場合)、あるいはベーチェット病など特定の病気が原因である場合は、その病気に対する治療薬が処方されます。単純なアフタ性口内炎に対しては、ビタミン剤(特にビタミンB群)が処方されることも多く、これは粘膜の健康を保ち、治癒を促進する目的で用いられます。
アフタ性口内炎治療で病院で処方される薬