舌にアフタ性口内炎ができた場合、そのつらい痛みを和らげるために市販薬を使いたいと思う人は多いでしょう。薬局には様々な種類の口内炎治療薬がありますが、舌という特殊な部位に使う際には、いくつかのポイントを踏まえて選ぶことが大切です。舌に使う市販薬でまず考えられるのは、塗り薬(軟膏やジェル)です。これは患部に直接塗布できるため、ピンポイントで薬効成分を届けやすいという利点があります。炎症を抑えるステロイド成分や非ステロイド性抗炎症成分、粘膜保護成分などが含まれています。舌の表面や縁など、比較的塗りやすい場所にできた口内炎に適しています。ただし、舌は常に動いて唾液も多いため、薬が流れやすいという欠点があります。塗布する際は、患部の水分を軽く拭き取り、食後や就寝前など飲食をしないタイミングで使うと、薬が留まりやすくなります。次に、貼り薬(パッチ)です。これは患部に貼り付けて、物理的に刺激から保護しつつ、薬効成分を浸透させるタイプです。舌は動きが多いので剥がれやすい難点がありますが、舌専用のパッチとして開発されているものや、粘着力が比較的高く舌にも使いやすいタイプのものもあります。特に、食事や会話のたびに舌が歯や食べ物に擦れて痛い場合に、患部を保護してくれる効果が大きいです。舌の動きの少ない舌の裏側や、比較的平らな場所に適している場合があります。貼る際は、患部周辺の水分をしっかり拭き取ることが成功の鍵です。スプレータイプの薬も、舌の口内炎に使える選択肢です。舌の奥や根元など、手が届きにくい場所にできた口内炎に手軽に使うことができます。殺菌成分などが含まれていることが多く、口腔内全体の衛生状態を保つ効果も期待できます。ただし、特定の患部に集中的に作用させるという点では、塗り薬や貼り薬に劣る場合があります。内服薬(ビタミン剤など)は、舌だけでなく全身の粘膜の健康をサポートする目的で使われます。特にビタミンB群が不足しがちな人や、口内炎を繰り返しやすい体質の人に適しています。直接的な痛み止めというよりは、根本的な改善や再発予防を目指す場合に併用すると良いでしょう。
舌のアフタ性口内炎に効く市販薬の選び方(舌向け)