エナメル質を守り、再石灰化を促進するためには、毎日のホームケアが基本ですが、歯科医院で受けるプロフェッショナルケアも非常に重要です。歯科医院では、自宅では難しい専門的な処置を受けることができます。一つ目は、徹底的なクリーニング(PMTC)です。どんなに丁寧に歯磨きをしても、完全にプラークを取り除くのは難しいものです。特に歯と歯の間や、歯と歯茎の境目などには、プラークが溜まりやすく、虫歯や歯周病の原因となります。歯科衛生士によるPMTCでは、専用の器具を使って歯の表面や歯周ポケットのプラーク、歯石を徹底的に除去します。これにより、口の中の細菌の数を減らし、エナメル質が酸にさらされるリスクを減らすことができます。歯の表面がツルツルになることで、汚れもつきにくくなります。二つ目は、高濃度のフッ素塗布です。歯科医院で使用されるフッ素は、市販の歯磨き粉に含まれるフッ素よりもはるかに高濃度です。高濃度のフッ素を歯の表面に塗布することで、より効率的にエナメル質にフッ素を取り込ませ、歯質を強化することができます。特に初期虫歯が見られる部分や、虫歯のリスクが高い部分に集中的に塗布することで、再石灰化を強力にサポートします。フッ素の効果は持続性があるため、定期的に(3~6ヶ月に一度程度)塗布を受けることが推奨されます。三つ目は、定期的な口腔内のチェックです。歯科医師や歯科衛生士は、自分では気づきにくい初期虫歯や、エナメル質の変化を見つけることができます。口腔内の状態を専門家に見てもらい、適切な診断とアドバイスを受けることで、早期に問題に対処し、エナメル質の健康を維持することができます。ホームケアとプロフェッショナルケアを組み合わせることで、エナメル質を効果的に守り、健康な歯を長く保つことに繋がります。
歯科医院でのプロフェッショナルケア